亜鉛めっきの犠牲的防食力

電気めっき被膜には多数のピンホールが存在し、そのピンホールより腐食が進むものと考えられています。

亜鉛めっきは亜鉛自ら犠牲(白錆)となり、電気化学的に素地の鋼の腐食(赤錆)を防止する性質を持っています。

つまりピンホール部分が腐食雰囲気に晒されると亜鉛めっきの白錆は発生しますが、素地の素地鋼の腐食は防ぎます。

またワイヤの切断面も同様に切断面の鋼から先に腐食する心配は少ないです。

亜鉛めっきは自ら錆びることで素地の鋼の腐食を防ぎます。

ニッケルめっき、錫めっきの防食性は?

ニッケルめっき、錫めっきの場合、めっき皮膜のピンホール部分が腐食雰囲気に晒されると、電気化学的にめっきより先に素地の鋼を腐食する性質を持っているため短時間の内に素地の鋼より赤錆の発生が見られます。

またワイヤの切断面についてもニッケルめっき、錫めっきより先に素地の鋼の赤錆が発生します。

ニッケル、錫めっきの場合、素地の鋼から腐食して赤錆が発生します。

亜鉛めっきの白錆について

当社の亜鉛めっき鋼線は純亜鉛めっきのため湿気等による腐食雰囲気に晒されれば亜鉛めっき表面に白錆(亜鉛の水酸化物)が発生します。

白錆は白い粉末状で亜鉛特有の金属色や光沢がなく、見た目は濃い灰色に見えます。

この白錆が残っている間は素地の鋼の赤錆が発生しにくいと言えます。

白錆の防止策

亜鉛めっきの白錆の防止策としては、めっき後にクロメート皮膜処理をする方法が広く用いられてきました。

しかしクロメート処理は六価クロムや三価クロム溶液を使用するため、環境対策重視の観点によりこの方法を採用できないのが現状です。

そのため環境の観点から白錆を防ぐ方法としてバネ成形後の熱処理温度を300~320℃に設定し、亜鉛めっき被膜を熱拡散により亜鉛と鉄の合金めっき被膜に変化させる方法があります。

この方法であれば、腐食過程での白錆の発生量をほとんど気にならない程度までに抑えることができ、またそれにより耐食性も飛躍的に向上します。

ただしこの場合はバネ表面の色調は黒っぽく変色し、光沢もなくなります。

塩水噴霧テストについて

日本工業規格JIS Z2371による金属材料およびめっきの腐食テストの方法です。

35℃の恒温内で濃度5%の塩水を8時間噴霧し、その後噴霧停止状態で16時間放置することを1サイクル(24時間)とし、その結果、素地の鋼の赤錆が被検査物表面積の何%を占めているかを判定します。

あまりに過酷な、また凝縮された腐食テスト方法のため、現実問題としてこの結果によって屋内外で自然的に発生する腐食までの期間を推測することは非常に困難と言えます。

あくまでも数種類の被検査物の比較テストの方法と考えるべきと思います。

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