技術資料目次



銅めっき鋼線の導電性について

  • ◎導電性を目的に開発されたバネ用鋼線であり、12〜16%導電率を基準に銅めっき厚さ
      を規定しています。導電性はバネ用燐青銅線(錫(Sn)7〜9%合金)と同程度であり、一
      般に言われているCP15相当品です。

    ◎銅めっき鋼線の導電性及び導電率は、めっき表面の変色、酸化被膜、銅錆により影響
      を受けることは有りません、銅めっき厚さにより決まります。

    ◎したがって、バネ成形加工時のカジリによるめっき厚さの減少は部分的な導電性の低下
      に繋がりますので注意を要します。
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銅めっき鋼線の変色及び耐食性について

  • ◎銅めっきの表面は空気中に放置するだけでも徐々に表面が酸化され赤っぽくなります。
      また湿気等の腐食雰囲気に晒されますと赤黒くなり、更に進むと緑の銅錆びが出ます。
      しかしこの変色、腐食被膜は極薄く、めっきの表面層だけにとどまり、内部にまでは進行
      しません。

    ◎低温熱処理により形成されるテンパーカラー(酸化被膜)は、その後の変色をガードする
      性質を有する為に、熱処理前と比べて変色の度合いは少なくなります。

    ◎一般に2ミクロン以上の銅めっき厚さがあれば、素材の鋼の赤錆が発生する心配はない
      と言えます。しかしバネ成形加工時のカジリ等による銅めっき層に対する疵の深さの程
      度によっては素材の鋼の赤錆が発生することがあります。

    ◎銅めっき鋼線は鋼線の切断面に対する防触性を持っていません。
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銅めっき鋼線の保管上の注意事項

  • 銅めっきの表面は空気中に放置するだけでも表面が酸化され徐々に変色することは既に
    述べた通りです。変色防止剤を含んだ防錆油に浸漬した上で出荷していますが、ご需要家
    様に於かれましても保管の際には充分な気配りをお願い致します。更に使い残しの銅めっ
    き鋼線の保管に付いては乾燥剤又は気化性変色防止剤等と共にビニール袋に入れ密封
    して保管されることをお勧め致します。
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仕上めっきの下地としての銅めっき鋼線の特徴

  • 最後の仕上めっきとして金めっき、銀めっきをする場合には、めっきの品質を確実にする
    為に、その下地めっきとして銅めっき、又はニッケルめっきを行うのが通常です。当社の
    銅めっき鋼線は導電性と下地めっきとしての両方の機能を兼備えたバネ用鋼線です。
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銅めっき鋼線のコイリング性について

  • ◎銅めっき鋼線の表面は銅めっき特有の優れた潤滑性を有し、又銅めっきの溶融温度
      も高い為に、バネ成形機ツールでのめっきの焼付けの心配もなく、バネ成形加工時の
      コイリング性能は非常に優れ、且つ安定しています。

    ◎バネ成形加工時のカジリによるめっき厚さの減少は部分的な導電性の低下に繋がり
      ますので注意を要します、銅めっき鋼線だからカジリ易いと言った現象は全く見受けら
      れません。
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銅めっき鋼線の機械的性質と熱処理温度との関係について

  • ばね用銅めっき鋼線はピアノ線ですので、テンパーによる機械的特性の変化もピアノ線と同様に考えて頂いて結構です。
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銅めっきピアノ線の熱処理による表面酸化(テンパーカラー)について

  • 銅めっき鋼線の熱処理条件については特に制約は有りません。バネの用途、目的により適切な温度域及び時間での処理をお勧め致します。以下に各温度域でのテンパーカラーを記します。
  • テンパー温度 テンパー時間 テンパーカラー 光沢
    100℃ 20分 テンパー前と変化なし 光沢有り
    150℃ 20分 少し赤っぽくなる 光沢有り
    200℃ 20分 更に赤っぽくなる 光沢有り
    250℃ 20分 赤と黄色のマダラ模様 光沢有り
    300℃ 20分 橙色(だいだい色)になる 少し光沢低下
  • バネ成形加工時のカジリによる素地鋼の露出部分は、低温熱処理により黒っぽくなります。それは素地鋼のテンパーカラーですので上記の表には該当致しません。
  • めっき表面の酸化被膜(テンパーカラー)を除去する場合は、薄い酸性溶液に浸漬する事により除去可能です。但し、その場合には表面の光沢は無くなります。酸浸漬後は速やかに水洗、乾燥をして下さい。
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銅めっきピアノ線のハンダ付け性能について

  • ◎レジンフラックス、活性化フラックス共に半田付け性は良好です。また熱処理による表面
      の酸化被膜の有無に拘わらず半田付け性に大きな影響は見受けられません。

    ◎テンパー前の銅めっき線表面の清浄度が良い程、半田付け性は良好です。

    ◎銅めっき表面の酸化被膜を除去すれば、更に半田付け性は良くなります。
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バネ用りん青銅線との比較

  • 導電用バネの材料として使用した場合の、銅めっきピアノ線と、ばね用りん青銅線の性能
    及びコスト パフォーマンスの比較を以下に記します。
  • 項  目 銅めっきピアノ線 りん青銅線
     @ 線の強度(抗張力)
     A バネ特性(弾性係数)
     B 加工性(コイリング性)
     C 導電率
     D ハンダ付け性
     E 変色の度合い
     F 非磁性 ×
     G 後めっきの下地としての性能
     H 価格の安定性(非相場変動性) ×
     I 価格競争力 (※)
  •                       ◎優れる     〇良い、同等     △ヤヤ劣る     ×劣
  • ※銅めっきピアノ線で加工したバネの耐久力、疲労強度はピアノ線と同等であり、
      りん青銅線に比べて、強度及びバネ特性では遥かに優れている為に、りん青銅
      線から代替する事によりバネの軽薄短小を可能にし、且つコストダウン可能なV
      A提案材料です。
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各種バネ線の弾性係数の比較

  • 横弾性係数(G)と縦弾性係数(E)
  • Gの値
    N/o2 (kgf/o2
    Eの値
    N/o2 (kgf/o2
     硬    78000 (8000) 206000 (21000)
     ピ ア ノ 線 78000 (8000) 206000 (21000)
     オイルテンパー線 78000 (8000) 206000 (21000)
     ステンレス鋼線 69000 (7000) 186000 (19000)
     黄    39000 (4000) 98000 (10000)
     洋    39000 (4000) 108000 (11000)
     リ ン青銅線 39000 (4000) 98000 (10000)
     ベリリウム銅線 44000 (4500) 127000 (13000)
     チタン合金線 34000〜39000
    (3500〜4000)
    88000〜108000
    (9000〜11000)
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